しずむ陽
作品概要
- 制作年
- 2021年
- 素材
- 木製パネル、吉祥麻紙(自立型)、胡粉、墨、アクリル絵具
- サイズ
- 240mm(幅)×290mm(高さ)×15mm(奥行き)
これやんの作品コメント
STORY
これやん:現在は工房・アトリエを構えて活動していますが、どういった経緯でそうなったのですか?
香川:子供の頃から物作りがとにかく好きでした。実家が建具屋で木の端材を使って何かを作って遊んでいました。小学校から高校生までずっとバレーボールをやっていてプロ選手を目指していましたが、高校2年生で現実に気づきバレーボール以外の進路を考えたときに、自分は絵を描くことが好きだったので卒業後に上京しました。それからはずっと画を描いては展覧会をして、ということを続けています。
これやん:画を描きはじめた頃はどんな画風でしたか?
香川:子供の頃から細かい作業が好きだったので、細かい絵柄を描いていました。何かを見て描くというよりも、何も考えずに描くことが多かったです。まず全体を描きその後に肉付けしていく感じです。筆を動かすうちに面白いものが生まれ、それをもとに描き足していきます。
これやん:本当に細密ですね。香川さんとはパークホテル東京のロビー初めて会いましたが、そのときは画を描いている最中で、緻密でパワーのいる作品をすごいスピードで描きすすめているのを見て、驚きました。
香川:大きめの作品でも3時間程度で全体を描いて肉付けしていくので、描くのは早いと思います。
これやん:独学で画を学んでいますが、絵を描く技術はどのようにして体得しましたか?
香川: 22歳から24歳まで、絵の収入だけで日本を歩いて縦断する旅をして、それが武者修行になりました。沖縄の波照間島から北海道まで行きました。路上で作品を売りましたが、最初は全然売れませんでした。旅の途中でいただいた墨を使って、当時流行っていた入墨Tシャツを作ったら、売れるようになりました。そうして路上で販売するうちに行く先々で知り合いができて、壁画を描いたりしてまとまった旅費を得ていました。その時の影響で今でも一番よく使う画材は墨です。季節を表現する展示をしていた時は、季節の植物の色を使って描いたりもしました。遊んでみると意外といい色が出ましたね。