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SHINOBIMON -悟遁-

浅香弘能Hiroyoshi Asaka

作品概要

制作年
2021年
素材
大理石、漆喰、水墨、アクリル
サイズ
150mm(幅)×150mm(高さ)×60mm(奥行き)
特筆事項
展示方法は壁掛け/台置きどちらでも可能です
販売価格¥66,000(税込み)

倉本美津留のこれやんコメント

刀や手裏剣といった日本の武具を石で表現し、国内外で活躍するアーティストの浅香弘能さんの最新作をご紹介します。今回は人気の手裏剣シリーズのなかでも、浅香さんが得意な大理石で制作した作品で、天然石の模様が手裏剣の造形とも見事にマッチしています。禅をイメージしたという漆喰の枯山水、水墨で描いた模様も特徴です。日本独自の素材や技術を融合し、アートと日本の歴史を楽しめる浅香さんならでは世界観をお手頃なサイズで堪能できる作品です。
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STORY

倉本:大理石で刃を表現するに至った経緯はどういったものでしたか?

浅香:僕が生まれ育った大阪・堺は刃物で有名な街なので、子供の頃から身近にあった実物の刀や手裏剣が大好きでした。その後、大学で彫刻を学んだときは木を彫りたいと思っていたのですが、陶芸をやられていた先生に“石を彫ったらいいよ”と言われたのがきっかけで石を彫りはじめました。そのうちに自分にしかできないことを考えるうちに、大理石で刀を作ったらどうなるかと思いつき、彫刻は人体が題材であることが多く、武器をテーマにしている人はいないなと。

倉本:確かに前例はないですが、加工が難しい大理石で刀を作るとは、自ら険しい道を選ばれたのですね。

浅香:おっしゃるとおりで、石で刀を作る技術は簡単に体得できるものではなくて、石山から刀にできる素材の石を選び、割って、削りだし、研いでいく……学生時代からおよそ10年間、試行錯誤しながらその技術を磨きました。

倉本:10年ですか! どうやってそんな苦行を耐え抜くことができたのですか?

浅香:精神性ですね。石と向き合うという苦行を越えたとき、自分に何ができるのかと考えたら、これは侍や武士道の精神に近いものだということが分かりました。それからは日々の作業と刀を作りたい欲求がリンクし、自分が思い描く石の刀で、日本の精神性を表現したいと思うようになりました。そんなより身近な存在として手裏剣のモチーフが生まれました。

倉本:最近では大理石で発砲スチロールを模した作品も作っていますが、刀の作品しかり、そのどれもが人とは違うユーモアがあるところに浅香さんらしさを感じます。

浅香:作品によってもコンセプトは違いますが、自分がやっていることはどれも同じです。誰もやっていないことと、反骨精神を限界まで極めたいということ。作品制作自体はストイックですが、作品を見る人にとって作家の苦労は関係ないと思っているので、楽しんでもらえる作品であることを念頭に制作しています。