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あたまのなかはいそがしい子

林ホノカHonoka Hayashi

作品概要

制作年
2020年
使用素材
透明水彩、アクリル絵具、色鉛筆、他
サイズ
670mm(幅)×520mm(高さ)×25mm(奥行き)

倉本美津留のこれやんコメント

“画のなかの女の子がぼーっとしているときに頭のなかで勝手に踊り出すヘンテコなバレエダンサーのイメージを具現化した”いうのがこちらの作品。切った紙を何層にも組み合わせた立体的な髪の毛が印象的な少女と、彼女の視線の外に存在するバレエダンサーたちは見えないものを可視化したイメージとしても捉えられます。画のタッチに時代性を感じさせない普遍的な魅力があるのも林さんの作品の特徴です。
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STORY

倉本:画を描き始めたのはいつでしたか?

林:画は小さい頃から好きで描いてました。本の表紙を真似して描いてみたり、観に行った舞台のワンシーンを描いてみたりしていました。あとは工作も好きで、NHKの番組『つくってあそぼ』を見ながら物作りもしていました。

倉本:紙を切り貼りする手法には、どうやって辿り着いたのですか?

林:きっかけはイラストレーターの中村祐介さんのイラスト教室でした。教室のことを知ったときに“これしかない”と思って中村先生に熱烈なメールを送り、参加させてもらいました。その時の課題は絵本の表紙を、紙を切り貼りして作るというものでした。やりながらこれは面白いなと思い、できた作品を提出したら中村先生に「キミはイラストレーターより作家が向いているね」と言われて。

倉本:それはたぶん、林さんにしか言っていないようなアドバイスですね。

林:そうかもしれないです。他の生徒さんにはイラストのアドバイスをされていたけれど、私はそういう言葉をいただいたので。それで私も「じゃあそうします」と、作家として活動するようになりました。その時の課題よりもっと細かくしたり、立体感を出して影を出せたら面白いし、こういうのってあまりやっている人いないなと追求していくうちに、今の半立体のような作風へとつながっていきました。

倉本:作品にはちょっと不可思議な世界観があります。

林:私は子供の頃から不可思議なことに興味があって、そういう体験を見たりすると“あれは何やったんやろう”と、ずっと考えたりしていました。幼いときに見た東京ディズニーランドのアトラクション「イッツ・ア・スモールワールド」の壁面には、メアリー・ブレアが幾何学模様や色で国を表現した画が描かれていて、その画を見続けるうちにただの幾何学模様からだんだんと国のイメージが頭に入ってくることに衝撃を受けました。可愛いのに少し怖いような感覚というか。今の世の中は分かりやすいものが溢れていますが、私は一見では分からないものに心を動かされるので、それを作品として表現したいと思っています。