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百面相 青鬼ペイズリー

鈴木ひょっとこHyottoko Suzuki

作品概要

制作年
2018年
素材
木製パネル、アクリルガッシュ、額
サイズ
173mm(幅)×223mm(高さ)×40mm(奥行き)

倉本美津留のこれやんコメント

浮世絵などの伝統文化と現代の日本をミックスし、独自の感性で作品を描く鈴木ひょっとこさん。模様のなかにだまし絵的に、日本の縁起物やお面などを盛りこんだ「百面相」シリーズです。日本には古来から八百万神という考えがありますが、大量生産される雑貨を見たときにひょっとこさんが“これらに神様は宿っているのか?”と思ったのがきっかけで誕生したこのシリーズ、こちらはファッションやインテリアで用いられるペイズリー模様を巧みに用いて鬼の顔を描いています。だまし絵のようなユニークなテイストの作品です。
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STORY

倉本:ひょっとこさんの作品をSICFで見たときに、分かりやすくて、すぐに好きになった印象があります。ところで何で“ひょっとこ”という名前なんですか?

鈴木:ひょっとこって竃の神様でして、そういう意味合いとタタラ場でフーフーと火を吹いていた、ちょい役の下働きっていういろんな説があって。その親しみやすい庶民派な感じと、神々しさを合わせ持った作品を作りたかったのがきっかけで、2011年の初の個展のときから、この名前を使っています。

倉本:僕が心を掴まれたのが、今の家電と昔話が浮世絵っぽい絵柄で表現されている“家電図”の作風でした。昔話のキャラクターがタイムマシンに乗ってきて、えらい目にあってるみたいな(笑)。このコンセプトはどんな風にして生まれたのですか?

鈴木:もともと美大の油絵に入学したのですが、絵にもっと時間性やストーリーを持たせたくて、アニメーションをやりたくなって映像学科に進みました。そのなかでストーリー性のある絵画表現をたどっていったら、絵巻表現に行きついたんです。日本って対外的には浮世絵、歌舞伎、舞妓さんといったものを打ち出すわりには、自分たちは洋服を着て、機械を使って、マンションとかに暮している……日本らしさとかけ離れた生活っていうものがあって。でも、その両方ともが日本らしいというか。それが合わさっているのがすごく面白いし、不思議やなっていうところを作品にできないかなと思ったのがきっかけです。絵のなかに物語もあり、モチーフとしてはその時代を象徴するという。

倉本:なるほど、アニメーションを専攻していたから、こういうコンセプチュアルな感じもあるんですね。

鈴木:いつもストーリーや動きが場面として浮かんでくるんです。閃いたらそれが絵になっていくという感じですね。

倉本:一時は宮崎に移住して、祭りの文化を学んだりしていたんですよね。

鈴木:そうですね。オカメの白雪姫をモチーフにした「りんご美人」の映像作品を作ったことがきっかけで、もっと日本の祭りやおたふくが何なのかを知ったうえで作品を作ろうと思って宮崎に行きました。神楽ってお祭りがあるのですが、地域の人が土地の神様に奉納するためのお面をつけて、夜を通して舞うというものがあって。カッコイイ舞いから、ちょっとおどけてコントみたいなことをやるものもあって、そういうことを真剣にするということに、表現の原点があるんだなって思いました。あと、もともと“お面”に興味があったのもひょっとこの名前に由来になっていて。お面って怖いようなユーモラスなような、でも美しいって、いろんな要素を含んでいて。そうやって、見た瞬間いろんなことを感じさせるのはすごく面白いし、私もそういう作品を作りたいと思っています。