MATSURI
作品概要
- 制作年
- 2018年
- 使用素材
- ハンコ、紙
- サイズ
- A4サイズ
- 特筆事項
- スーパーハンコアート
これやんの作品コメント
STORY
倉本:安東君の作品は、ハンコという縛りのあるなかでいかに意外性を持たせるかという部分に、僕の考える“大喜利の感覚”があって、それが分かりやすく同居している。そもそもハンコで作品を作ろうと思ったのは何がきっかけだったの?
安東:僕は絵がそんなに上手いわけでもないし、倉本さんが言ったように何かをヒネリを加えて、面白い作品を作りたいと思っていました。そんな時にふと、“ハンコをいっぱい押した作品だったらどうだろう?”って思い付いたんです。ちょっとアホっぽいけど、極端にたくさんハンコが押されていたら、見た人が“おお~”ってなるんじゃないかなって。
倉本:ひとつの作品で何回くらい(ハンコ)押したことあるの?
安東:あんまり数えたことはないんですけど、一番大きな作品でおよそ10万回です。
倉本:どんだけ(ハンコ)おしてんねん! やっぱりアートは制作に時間をかけて、それを肉体的に乗り越えていく努力が大事。ハンコを使った表現力も技術力も素晴らしいし、何よりもオリジナルのハンコを作って制作するところが面白いね。
安東:そうすることで作品の二重性の意味を持たせられるんです。遠くでみるとまずビジュアルに目が行きますが、作品に寄った時はハンコの文字を読んで意味が分かるという。
倉本:これはシンプルで分かりやすいね。テーマは東京五輪だけど、それ以上に深い意味はあるのかな?
安東:これは最初違うハンコで作っていたんですね。「ずっと好きだった」と同じ、“にわか”のハンコを使っていたのですが、同じ紙でハンコを“東京”に変えて、作り直しました(笑)。
倉本:なるほど、東京五輪が決まって急に盛り上がりはじめたのを見て ”にわか”なんちゃうのって、思って作り始めたってことやんか。それをあえて東京にした意味は?
安東:にわかで作ったときに、ちょっと怖くなって。
倉本:(笑)。これは国を相手にしているみたいでこれはあかんし、それで“東京”にしたらみんな喜ぶし、媚びていったんや。面白いねえ。
安東:そうです。ひねくれていながらも、そういうブームにも乗っていきたいという自分の性格が出ていますね。購入していただいた方には“にわか”でも“東京”でもどちらを飾ってもらっても良いと思います。