言葉をテーマにゼロから作品を作るというのは普段の制作ではあまりやらない方法で、描く時間よりも考える時間の方が長く、なかなかイメージに合わず、途方に暮れていました。実体験で「せんぱい」に関する良い思い出がなかったので、好きな小説から着想しました。物悲しさがありながらも、ちょっと奇妙でシュールな「せんぱい」を描こうと思いました。それに加えて描いていた時期的にも卒業や出発のイメージがあり、それらを付け足すことで、見る人によって感じ方が異なる絵になったと思います。手は写実的すぎると違和感が出るので、どこまでデフォルメできるかにこだわりました。ブツブツは青春につきもののニキビ……って、手にはできないんですけどね。