黄昏のパンゲア
作品概要
- 制作年
- 2018年
- 使用素材
- キャンバス、油彩
- サイズ
- 292mm(幅)×222mm(高さ)
※額縁込みSMサイズ - 特筆事項
- 舞台は地球最大の絶滅がせまる2億5000万年前。
つがいで子育てをしていたと言われている単弓類の家族の「All You Need Is Love 」。
これやんの作品コメント
STORY
倉本:山下さんのフォルムもどこかマトリョーシカっぽいと思うねんけど(笑)、なぜマトリョーシカやったの?
山下:(笑)。もともとは広告の造形の仕事で、デザイナーさんが描いたマトリョーシカを作品として木の造形に落とし込んでいたのですが、それをやれる技術が身にあるのなら、自分でオリジナルのマトリョーシカを作ったほうが楽しいんじゃないかと思ってやりはじめたんですよね。なんかとっつきやすかったんです。自分の作品として、マトリョーシカだと素直に出せたというか。
倉本:作品はすべて動物のモチーフだけど、それはどうして?
山下:小さい頃から動物が好きで、ひとりっ子の自分は犬と兄弟のように過ごしてきました。ほんと、動物にはお世話になっているというかね。正直、人間よりも先輩ですし、パターンもいっぱいあって世界も広い。いくらでも掘り下げて遊べるのは実は動物だったりするんですよ、僕にとってはね。仕事で人間の肖像画を描いていた時期もあったんですが……動物を描くほうが正直、全然楽しいです。
倉本:それが犬ではなくて、猫のマトリョーシカだったのは?
山下:猫の作品が多いのは、単純に僕が猫を飼い始めたからです。やっぱり一緒にいると観察できるから。それに、職人としての絵描き・造形屋から、作家へと自分が変わっていったのも猫がきっかけで、それがさっき言ったマトリョーシカだったんです。
倉本:ここに描かれた動物はどういったものですか?
山下:これはディイクトドンという恐竜よりも前の時代、超大陸パンゲアの時代に繁栄し、ほ乳類の元祖とも言われた単弓類です。生き物の歴史って幼い頃から好きだったんですけど、忘れてしまっていることもけっこうあって。それが数年前……それこそ、猫を描きはじめるようになり、この動物たちは“なんでこうなっているんだろう”って掘り起こしはじめたら、現存する動物と共に絶滅した種たちに、とても興味を持つようになりました。自分のなかにある人間も含め動物に対する疑問が、描くことで補完されていくような気がしていて……まあ、勝手な思い込みなんですが(笑)。