キングチーター?
作品概要
- 制作年
- 2020年
- 使用素材
- 石塑粘土、アクリル彩色
- サイズ
- 160mm(幅)×120mm(高さ)×100mm(奥行き)
※置き方により変動します
これやんの作品コメント
STORY
倉本:猫の立体作品を作るようになったきっかけは何でしたか?
細山田:もともとはシュールな油絵を描いたり、おおきなオブジェを作ったりしていて、どちらかと言うと現代アート的な活動をしていました。その後、アーティスト活動している奥さんと結婚し、猫を連れてきたんです。それで“猫展をやるからちょっと手伝って”と言われたのが、今の路線のはじまりですね。
倉本:シュールな現代アートから猫の作品とは、大胆な路線変更ですね。
細山田:最初は踊る猫やサッカーをする猫を作ったりして……でも、実際には何をしたら良いのか分からずにいました。ふとしたときに今までやってきた自分のアートと猫の神秘さがマッチして、自分のイメージのなかに猫を置いてみようと思ってやってみたらすごく面白くて、ハマってしまいました。
倉本:そう言われると、今回の作品も絵画のなかに猫が登場している。そんな印象です。猫のどんなところに魅力を感じたのですか?
細山田:目です。猫の目には自分の心を見透かしている感覚があって、そこに魅力を感じました。だから作品には結局、自分が映し出されています。僕は制作するときにテーマやメッセージが先行することはなく、頭におぼろげに思い浮かんだ形をスケッチにとどめて、粘土で形作っていきます。作りながら“これはこういうことを言っているんだ”と、自分で作品のストーリーを理解していきますが、人には”よくそんな方法で作れるね”と言われます。でも、僕にとってはそれが普通と言うか……。子供って電車が好きだと電車の絵をいきなり描きはじめて、そのうちにそれが空を飛んでいたりするじゃないですか。そんなイメージなんですよ。
倉本:その思い浮かんだイメージも絵画ではなく立体となると、表現するための技術も必要ですよね。特に細山田さんの作品のなかにはギリギリのバランス感で作られるものもありますが、そういったバランスへのこだわりはありますか?
細山田:ありますね。何か、面白いじゃないですか。
倉本:(笑)。ちなみにシュールな絵を描くようになったきっかけは何だったのですか?
細山田:高校生の時に人に誘われて美術部に入り、油絵をはじめたのですが、卒業後に当時の部活仲間が若くして亡くなってしまい、彼の代わりに“絵を描いてもらえないか?”と言われました。それで、油画のセットを引っ張り出してきて、ふたたび絵を描くようになりました。彼の影響もあってか、そのときに描き始めた絵はシュールな作風でした。もし彼がいなかったら、今の僕は、アーティスト活動をしていなかったかもしれません。