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中村眞弥子Mayako Nakamura

作品概要

制作年
2018年
使用素材
キャンバスに油彩、木炭、色鉛筆
サイズ
230mm(∅)× 23mm(奥行き)
販売価格¥40,700(税込み)

倉本美津留のこれやんコメント

物の境目をテーマにしたさまざまな作品を生み出す中村眞弥子さん。ここで紹介するのは“春のごちそう”シリーズより、食べるときの楽しさにフォーカスした作品。食べるぞという食欲、美味しい、甘い、酸っぱいといった味覚をスプーンやフォークと一緒に、丸いキャンバスに描いた抽象的な作品です。
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STORY

倉本:今の画風に落ち着いたのはどんな経緯でしたか?

中村:もともと美術史を勉強していて、仏像が好きでしばらくタイにいたこともありました。帰国してから漠然と絵が描きたいと思うようになり武蔵野美術大学の通信科に行きました。その時の卒展で、カッコよくて等身大の絵を描こうと思ったのがきっかけで、それからは作家として活動をしています。

倉本:仏像とは全然違うところにいきましたね! モチーフはどのように決めていますか?

中村:日常や身の回りにあるものを選んでいます。そこに自分がいて、空間があって、その境目がある。空気感や音……例えば、今お話している内容、食べたものなどが形と線に落とし込めたらいいなと。私にとっては物と物の境目、そこに存在する空気感をどう捉えるかが大事だと思っています。

倉本:いろんな要素が混ざり合い、それを可視化するということですね。中村さんが言う“境目”に何かしらの意味があるのですか?

中村:いえ、はっきりとした意味はありませんが、その曖昧さが面白いんです。まず自分と空間の境目があって、その次にお部屋と外の境目が……と考えていくと、世の中は境目だらけなんです。そういった明確なようで曖昧なものを、絵としてどう描くかを意識しています。

倉本:中村さんが絵を描きたいと感じるのは、どういう時が多いのですか?

中村:いつでも描きたいと思っています。ただ、歩いているだけでも、歩道橋の向こうの空がいいな、とか(笑)。時間に余裕があるときは、電車に乗りながら風景を描いたりもしていました。

倉本:なるほど。自分が感じたものが、筆を通して作品に現われていくイメージがよく分かりました。

中村:平面って真っ平らじゃないですか。私は3Dの世界を見ていても、いろんなものがどんどん立ち上がってくる感覚があって、もう無意識にそうなっちゃっていますね。