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Symbiosis mini #8

岩坂卓Suguru Iwasaka

作品概要

制作年
2024年
素材
石、ガラス
サイズ
105mm(幅)×55mm(高さ)×70mm(奥行き)
販売価格¥79,200(税込み)

これやんの作品コメント

「国際工芸アワードとやま」の入選経験を持つガラス・アーティストの岩坂卓さん。久々に作品をお持ちいただきました。こちらは以前の出品作品“Symbiosis”のミニ・バージョンで、自然物(石)と人工物(ガラス)が見事に一体化しています。こちらは制作時期が春ということもあり、ガラス部分は明るく優しい色味になっています。ちなみに石は富山県のヒスイ海岸で採取したもの。作品を手に取ると丸さが馴染むのもこの作品の魅力ですね。
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STORY

これやん:岩坂さんの作品は彫刻とも工芸とも捉えられる独特な作風ですね。ガラスに魅了されたきっかけについて教えてもらえますか?

岩坂:モノづくりが好きで、それを学べる大学に行きたいと思っていました。授業でいろんな素材を触るなかで、ガラスが塊になったときの光の感じに魅了されました。でも、入った大学はガラスの勉強だけができる場所ではなかったので、もっとどっぷりとガラス制作に浸かるために富山のガラス専門学校に入り直しました。そのあとで福井のガラス工房に就職して10年くらい働きました。仕事をしながら自分の作品制作もやっていました。あと勤務先の工房のボスが、自分の作品をアメリカに輸出していたので、そのお手伝いもしていました。

これやん:岩坂さんの石とガラスが合体した作風は、どんな風にして生まれたのですか?

岩坂:まず、石やガラスの素材に魅力を感じていたこと、そして自分の中にある日本人らしい美意識や自然観に興味が出てきて……そういったものが30歳を過ぎた頃、ストンとつながったんです。技術もだんだんついてきましたが、かといって自分を前面に出した芸術を主張する性分でもないので、自然に寄り添う感じで作品としての形のなかに落としていけないかなと模索しながら、今の作品ができあがりました。

これやん:制作作業はどのようにスタートするんですか?

岩坂: まず自分と相性のいい石を探すところから始まります。“石ひとつにも命がある”と仏教の教えにありますが、ひとつの石と向き合い、対話をしながら作っていきます。石は長い年月をかけて生まれるもので、それと比べたら人間は新参者です。そんな一瞬の存在である僕が、長い時間を経た石と出会うというのは、ありえないような確率でもあります。だから、僕の制作は“一期一会のコラボレーション”だと思っています。

これやん:作品はまるで自然のなかに存在する宝石のようにも見えますが、どうやって作っているんですか。

岩坂:石の一部を忠実にガラスに置き換えて、組み合わせたものを研磨をすることで新しい形として調和するように制作しています。ガラスの色は石に合わせて決めます。ガラスには人間的な意味合いも含めていて、 自然と人間が共存できるという希望を感じさせたいので、前向きな色を使っています。作品のガラスは日の光が入ると雰囲気が変わり、時間の経過とともに変化します。それ自体が人の一生の一瞬というか、そんな風にも見てもらえたらいいなと思っています。