テーマの「まほろば」を聞いたときに、この言葉をまったく知らず、すぐに検索をしました。出てきたのは“まほろばの湯”という温泉の施設名。でも、温泉は何かイメージと違うと思って、しばらく悩んでいました。ある日、鎌倉に行ったときに“山の上にいる”というイメージがふと浮かび、まほろばに近づいた気がしました。少し暖かい感じもしたので、これは“春だな”と思いました。「まほろば」は古語なので現代に落とし込むとおかしくなるのではないかと思い、なるべく郷愁感を出し、山に存在するコンタクターを作りました。
制作を振り返ると、とにかく悩んでいたことしか頭になかったです。僕はもともと“曖昧でいたい”ところがあり、今回のように言葉から作品をつくることで、もっときっちりとやることになったのが、僕にとっては新しい試みでした。