ひとつの言葉から作品を作ることは普段やらないので、どうしたものか悩みました。あまり言葉の意味にとらわれ過ぎないほうが良いと思い、いわゆる目の前の誰かを思いやるというのではなくて、先人の芸術家たちを“思いやる気持ち”と捉えて作品をつくりました。

「思いやり」の気持ちを表現するなら花がいいなと思い、いろんなモチーフのなかから琳派のカキツバタとアンディ・ウォーホールの「flowers」を選びました。

僕の新しいシリーズ「NEO UKIYOE」は伝統的な浮世絵をポップアート的な色彩で描き、現代の作品として感じてもらうコンセプトです。今回は浮世絵ではなく、琳派をモチーフにしたので、まだシリーズ名もない初出しの作品です。伝統的な絵柄と現代の色彩感覚がひとつの作品になっているという面白さを、作品から感じてもらえたらと思っています。