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「This is EXIT」400 – white –

松枝悠希Yuki Matsueda

作品概要

制作年
2024年
素材
アクリル、LED、MDF、PET
サイズ
420mm(幅)×210mm(高さ)×210mm(奥行き)
電源
単三電池×8本 or ACアダプター
エディション
6/50
販売価格¥462,000(税込み)
販売応募期間:2024年12月6日〜2025年1月6日まで

これやんの作品コメント

対象物が飛び出すユニークな仕掛けとメッセージ性を同居させた作品で人気の松枝さん。久々にご紹介するのは、代表的なモチーフである非常口のピクトグラムが“飛び出した”作品です。普段はご自身の展示でしか出品しない作品ですが、今回は特別にオンラインで販売します。出品にあたってこの作品にフォーカスしたインタビューを掲載しました。こちらもあわせてご覧ください。
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STORY

これやん:非常口は松枝さんにとっての代表的なモチーフです。

松枝:これよりも前はトランプや卵が飛び出ているのが僕の代表的なモチーフでしたが、そのあとでこの非常口を作ったときに、いろんな意味でバチっとハマりました。人が走っていて、飛び出ていて、非常事態っぽくて、なおかつ光るっていう。自分のなかでも腑に落ちた作品になりました。自分の展示では必ず非常口モチーフの作品を出していますが、「これやん」さんには出していないなと思ったんです。普段は展示期間にしか買えない作品ですが、1つくらいはいつでも買えるようにしたいと思って出品させてもらいました。

これやん:このモチーフを最初に作ったきっかけは?

松枝:2010年のグループ展「C-DEPOT In The Dark」でした。暗い会場で作品を展示するという変わったテーマだったので、作品が光らないとはじまらないと思い、何かないかと夜の街をほっつき歩いて探しました。そうしたら、とある暗い建物のなかに非常口のライトが光っていて“これだ!“と。非常口のなかにいる緑の人を飛び出させて、“二次元にいるほうが非常事態だ”という表現にしました。当時は技術的にこのサイズをうまく飛び出させられるか分からなかったのですが、やってみたらうまく出すことができて、とりあえずはホッとしました。

これやん:“とりあえず”ということは、他にも課題があったのですか?

松枝:次はどうやって光らせるかでした。2010年の頃はLEDが一般的には手に入りづらく、初期の作品には小さい蛍光灯を仕込んでいます。それが、いかにも工作っぽいゴテゴテした見た目ですっきりしていなかったので、LED専門の職人さんにお願いして、光る土台を作ってもらいました。専用の基盤をオーダーすることで見た目もスマートになり、明るい光源が得られるようになりました。これはあとから気が付いたのですが、非常口のピクトグラムは著作権が放棄されていて、世界中で使われているものなので、どこへ持っていってもこの作品は理解されやすいものでした。そのおかげもあり、このシリーズは海外でも人気を得ることができました。

これやん:今回お持ちいただいたのはそんな非常口モチーフの最新作です。

松枝:機能的にはそうなりますね。試行錯誤を重ねてメンテナンスもしやすくなっています。ただ、世の中の非常口の世界はめまぐるしく変わっていて。というのも、非常口の使用期間は10年と決められています。停電に対応するバッテリーの寿命がそれくらいなので仕方ないのですが、最新の非常口は見た目もすごく薄くなっています。でも、僕は今のタイプの見た目は好きじゃないので作っていません。僕が好きなのは蛍光灯が入った1990年代~2000年代に使われていた厚みのあるフォルムです。今回出品した作品もこの時代の非常口を参考にしています。