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観覧車

大村雪乃Yukino Ohmura

作品概要

制作年
2014年
使用素材
シール、アクリル、パネル
サイズ
652mm(幅)×500mm(高さ)
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これやんの作品コメント

「東京ミッドタウンアワード2012」でオーディエンス賞を受賞し、人気を集めた大村雪乃さんのシールで夜景を表現するアートは、近くで見ると抽象画に見えていたものが作品から遠のくにつれて具象化されるというマジカルな作風です。この作品は遊園地をテーマに特定の場所ではないを組み合わせて作られています。本来、電飾の少ない観覧車をさまざまな色彩のシールで表現することで、立体的に見せているのが面白いです。
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STORY

これやん:シールを使って“夜景”を表現するというのは、キャッチーだしエッジも立っていて独特です。どんなきっかけでこういう表現になったのですか?

大村:横浜の高台に住んでいたことがあって、みなとみらいのランドマークタワーの夜景をよく見ていました。部屋には父親が持っていた香港の夜景のパズルが飾ってあり、自分が美術家になろうという日々に毎日それを見ていました。でも、17歳くらいのときに両親が離婚をして、父がその作品を持って行ってしまったんです。ある日、その絵がなくなったときの喪失感が大きいことに気がついて。もしかして美術家になることで、この絵をとり戻そうとしているんじゃないかと思いました。芸術というものを教えてくれたのも父親でしたから。

これやん:それが“夜景”へとつながっていったのですね。

大村:もともとアイディアを形にするということが好きで、美大の油絵科にいたのですが、絵を描かずに映像やインスタレーションを作っていました。シールを使いはじめたのは、たまたま手元にシールを持っていて、これで何かできることはないかなと考えときに、ふと夜景にいきつきました。

これやん:それが昼間ではなく夜景の風景を表現しようと思った理由なのですね。

大村:そうですね。光のひとつひとつをシールで置き換えられるのが重要で、それが昼間だとするとコンセプトとして意味がなくなってしまうから、そこは崩したくないんです。昼間のビルをシールで表現しようとすると、絵の具の重ね塗りと同じになってしまいますから。

これやん:シールで色を忠実に再現しているんですね。

大村:シールの色には限りがありますから、それを組み合わせることによって遠くから見たときに、色が混じり合っていくように見えるんです。絵の構図的にはビルを無くしたりもしますが、色に関してはかぎりなく本物に近づけるようにしています。

これやん:それもあって、近くで見たときと遠くでみたときにマジックが起こるという。

大村:はい、近くで見たときはシールの素材感などを見てもらったりして、距離感による見え方の違いを楽しみながら、じっくり時間をかけて見ていただける作品を作っていきたいなと思っています。