western rabbit
作品概要
- 制作年
- 2023年
- 素材
- キャンバス、アクリル絵具
- サイズ
- 318mm(幅)×410mm(高さ)×20mm(奥行き)
これやんの作品コメント
STORY
これやん:幼い頃は漫画家を目指していたようですね。
北沢:子供の頃から絵は好きでしたが、父が画家だったこともあり同じ道は歩みたくないと思っていました。それもあって漫画家を目指し高校卒業後に漫画家のアシスタントになりましたが、はじめてすぐに身体を壊してやめました。それからどうしようと思っていた頃に、高校の先輩から今はイラストがブームだというのを聞いて、この道を知りました。
これやん:イラストレーターとしてどのように画風を模索したのですか?
北沢:影響を受けたのは1980年代のニュー・ペインティング、あとは吉田カツさんが雑誌「シティロール」に描いていたイラストが好きでした。最初は写真に撮った人物を色鉛筆で描いていましたが、これでは仕事にはならないと思い、大きな絵を絵の具で描くようになりました。ユーモアがありつつも少し毒がある感じがいいなと思いながら100枚くらい描くうちに、偶然に海からあがってくる男と一緒にサメの頭をした男もでてくるというイメージが描けて、“これならいけるかも”と思いました。ちょうど21歳の頃です。
これやん:その後は月刊「プレイボーイ」や「ブルータス」といった雑誌でイラストレーターとして活躍するようになりますが、どんな経緯でしたか?
北沢:自分で売り込みにいきました。どこ売り込みにいっても緊張するのだから一番ハードルの高い雑誌がいいと思い、今言ってもらったような雑誌に営業へ行きました。当時はアヴァンギャルドなスタイルのイラストも多く、そのなかで自分はまともなほうだったからなのか、すぐに仕事へとつながっていきましたね。
これやん:ご自身で作品を作るようになったきっかけは何でしたか?
北沢:僕は男性誌でイラストを描くことが多かったこともあり、30歳の頃にそれまで描く機会がなかった可愛い女の子を描きたくなりました。ただ、自分の作風が急に変わるのもどうかと思い、少女を描くために個展をしたのがはじまりでした。同業者でも面白そうだなと思う方が個展をやっていたりもしていたので自分もやってみようという、そんな流れです。
これやん:依頼されて描く仕事と自分自身の表現は別ものですよね。ある意味では画家だったお父さんに近づいていったのかなと、そんな感じもしますが。
北沢:そんなたいそうなものではなく、僕のはあくまでイラストレーターの個展です。今思えば少女を描きたくなったのも奈良美智さんの影響なのかと思ったりもします。仕事柄もあり自分は流されるというか、合わせていってしまうタイプなので、今でも純粋に自分のなかからの発信なのか外的な要因なのか、分からない部分もあります。ただ個展を重ねるうちにそれまではただ描くことが楽しくてやっていたのですが、今はもう少し違う部分も見せられるのかなと思っています。立体の作品を作っているのも絵だけじゃなくてもいいじゃないという思いがあって。単純にもっと自由にやっていいんだということが作品を通じて伝わったらいいなと思っていますね。