Emotional Virus
作品概要
- 制作年
- 2019年
- 使用素材
- ガラス棒、ミクストメディア
- サイズ
- 110mm(幅)×120mm(高さ)×110mm(奥行き)
これやんの作品コメント
STORY
倉本:2018年のアートフェア東京で、1番最初にグッときたのが広垣さんの作品だでした。すごく不思議な感じがして、どんな素材で作っているかもよくわからへんし、見たことないようなものだったんです。広垣さんはガラスの専門学校を出ていますが、ガラスを好きになったのはどんな経緯でしたか?
広垣:物心ついたときに、海の浜辺に落ちているシーガラスに見て感動したのがきっかけですね。最初はただの石ころだと思って拾ってきたものが、水に触った瞬間に透明になって“なんだこれは!”と、衝撃を受けました。それからガラスと言う素材に惹かれて、その頃から将来はガラス作家になろうと思っていました。最初は吹きガラスの作家になるつもりでしたが、学校に入って学んでいくうちに、どんどん違う方向にいきました。
倉本:この作品はウイルスを表しているんですよね?
広垣:はい、エモーショナル・ウイルスです。“もし自分の感情がウイルスのせいだとしたら”というコンセプトです。感情って人から人へ移ったりするじゃないですか? 例えば隣で悲しんでいる人がいて自分も悲しい気持ちになったら、それって感染してるのかなって思っていて。科学的には実証されてはいませんが、何かあるんじゃないのかなって。
倉本:感情の感染! でもそれは絶対にあると思います。
広垣:ポジティブなものから悲しいものまで、いろんなウイルスがありますが、それをガラスを用いて作るのが面白いですね。それと形状の実験もしたくて、いろんなフォルムのバリエーションで感情を表現してみようと思っています。喜びも悲しみもどれも大切なもので、私は感情のように人から生まれるものに興味があります。
倉本:ちなみにこの作品は喜び? 悲しみ? どちらのウイルスですか?
広垣:この作品はそのどちらでもなくて、体と心が合わさった形……みたいなものになっています。憎しみとか悲しみのウイルスになると、もうちょっとそのイメージに寄せて作ったりもしますが、これはかなりナチュラルでベーシックな作品です。