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Imaginary friend -Aksha-

広垣彩子Ayako Hirogaki

作品概要

制作年
2019年
使用素材
ガラス棒、ミクストメディア
サイズ
90mm(幅)×190mm(高さ)×90mm(奥行き)

倉本美津留のこれやんコメント

広垣さんの代表的な作品。彼女が幼い頃にだけ見えていた友達をビジュアル化することで、リアルとファンタジーの間をつなぐという、僕も大好きなアート作品です。彼女が感じている空気、(他の人には)見えないものをちゃんとリアルに再現している感じがあり、とてもオリジナリティーを感じますね。
SOLD OUT

STORY

倉本:2018年のアートフェア東京で、1番最初にグッときたのが広垣さんの作品だでした。すごく不思議な感じがして、何で作っているかもよくわからへんし、見たことないようなものだったんです。広垣さんはガラスの専門学校を出ていますが、ガラスを好きになったのは、どんな経緯でしたか?

広垣:物心ついたときに、海の浜辺に落ちているシーガラスに見て感動したのがきっかけですね。最初はただの石ころだと思って拾ってきたものが、水に触った瞬間に透明になって“なんだこれは!”って衝撃を受けました。それからガラスと言う素材に惹かれて、その頃から将来はガラス作家になろうと思っていました。最初は吹きガラスの作家になるつもりでしたが、学校に入って学んでいくうちに、どんどん違う方向にいきました。

倉本:今回出品してもらったのは、先述したアートフェア東京で僕がすごく気になったものです。

広垣:このシリーズは、イマジナリーフレンドって言って、ガラスに棒を刺した作品を作りはじめた始まりになったものです。私、3歳~6歳くらいまでイマジナリーフレンドがいた記憶があって。人に相談したときに納得のいった答えが返ってこないときはその子に話して、自分の中で納得するみたいな。私は他の人にも見えていって思ってはいましたが、大人になったら多分、いなかったんだろうなーって。それで、その子が最後にいなくなった時の事だけは、しっかりと覚えていて。雨の日に雷が鳴っていて、その子はそれがすごく怖くて、水たまりの中に消えてしまった……というのが最後の記憶でした。

倉本:広垣さんの作品を1番最初に見た時に、その水たまりを覗き込んでる作品がありましたね。

広垣:作品を作ろうと思ったときに、やっぱりその子を作りたいと思いました。それでガラスと出会って、ガラスは輪郭が曖昧だから、その子をガラスで表現したらいい感じにできるんじゃないかって。存在もぼやけているし、輪郭もぼやけていて、私の記憶自体も曖昧じゃないですか? それもまたぼやけているなと。ガラスにも吹きガラスや型に流し込むなど、いろんな技法がありますが、それだと表現できなくて、今の細いガラスの棒を刺す方法になりました。

倉本:このイマジナリーフレンドのシリーズにはいろんな作品がありますが、この作品個別のタイトルは何ですか?

広垣:これはアクシャ、ヒンドゥー語で“涙”という意味で、インドに行ったことから生まれた作品です。インドでは、木の実でできたシヴァ神のアクセサリーをみんなが身につけていて、それを“シヴァの涙”と言っていたのが、作品名の由来です。インドって街の中に本当に“何これ?”みたいな、手作り感満載の神様たちがたくさんいて。でも、それがすごく崇められていて、信じている人たちの気持ちもやっぱり美しくて、滞在しながら作品作りもしていました。ちょっと不思議な生き物で、神様的な要素があるものも作りたくて。私にとって、イマジナリーフレンドも神様みたいなものだったので、それとこのインドの経験はリンクするんですよね。この作品にはガンジス川と涙みたいなものを入れています。