お題を知らせるメールを見て「うれしい」が、あんまりうれしくなさそうだと思いました。それで、その受けた印象のトーンで作ることにしました。「うれしい！」と「うれしい」は違うと思いますし、「うれしい」は幸せの一歩手前の感情で、抑えたトーンだと考えました。
つまり未完成の「うれしい」です。食べ物を食べきった時は、うれしいが完成してしまうから少し違います。「うれしい」はシェアしなくてもよくて、自分の「うれしい」を大事にしたいと思っています。
私は夢日記を10年以上つけていますが、「うれしい」は悪夢を見て、起きたときに“ああ、夢でよかった”と思うのに似ていると感じました。悪夢という不安の緊張が解けたのは「うれしい」ことだなぁと。
最近見た悪夢で、蜘蛛が出てきて、目が覚めたときに天井にも蜘蛛がいて、夢が終わったのに続いているのか分からないということがありました。この蜘蛛を描いて表現しようと思いました。あの悪夢から覚めた時に蜘蛛を見て毛蟹を連想し、さらに猫のふわふわ感も思ったのですが……猫になってしまうと「うれしい」が完成してしまうので、毛蟹の蜘蛛にしました。